民法7判例六法

投稿者: | 2021年1月7日

★今日の問題★
次の記述の正誤を答えよ。

 甲土地は、所有者であるAが失踪して以来、親族のBが管理し、失踪後七年経過した時点で、Bが失踪宣告を申し立て、これが認められたため、Bが唯一の相続人となった。Bは、Cに対して、甲土地を売却し、利益を得た。
 ところが、AがBによって監禁されていたにすぎず、失踪していないことが判明したため、失踪宣告が取り消された。この場合でも、BとCの間で為された甲土地の売買契約は、Cが善意であれば、有効である。

10秒で考えよう。よーいドン!

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★今日の解説★

 間違い。
 第三十二条の但書には、この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。とあるが、契約については、契約当時、当事者双方とも善意であることを要するとするのが判例である。(大判昭和13年2月7日)

 設問では、Bが悪意であるため、甲土地の売買契約は無効となる。

(失踪の宣告の取消し)
第三十二条 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

問題を解きながら判例六法を制覇しよう!

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□ 判例の知識=語彙力

判例の知識は語学で言えば、語彙力に相当します。

法律の知識があるかどうか、実務家として仕事ができるかどうかは、判例の知識がどれだけあるかの差であるといえます。

語彙力は一朝一夕には、身につかないのと同様に、判例の知識もまた、一朝一夕には身につかないものです。

判例六法に掲載されている判例を一つ一つチェックして理解し、覚える。忘れたら、また繰り返すという作業が必要になります。

□ 判例を覚えるなら問題集が手っ取り早い

判例六法に掲載されている条文と判例を第一条から読んでいこうとしても、途中で眠くなったり、挫折しまうものです。

やはり、問題を解きながら、覚えるのが最も効率が良いものです。

このシリーズでは、一般的な判例六法に掲載されている重要判例のほぼすべてを問題化しました。

このシリーズを一通り終えてしまえば、一般的な判例六法を完全に制覇したことになります。

●著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

判例六法ラノベ化プロジェクト
小説を読む感覚で、隙間時間にすらすらと読めて、なおかつ、『ハイレベルな』教材を開発しようと集まったベテランの実務家(弁護士、司法書士、行政書士、宅建士等)と資格スクール講師の集団。日々、試行錯誤しながら、新しい教材を開発中!