★今日の過去問★
委任契約の終了事由は、これを相手方に通知した時、又は相手方がこれを知っていた時でなければ、相手方に対抗することができず、その時まで当事者は委任契約上の義務を負う。
胡桃「正しいか間違っているか考えてみてね。10秒で。よーいどん!」
建太郎「おう」
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
6秒
7秒
8秒
9秒……
胡桃「10秒経過。分かったわね」
建太郎「委任の終了の対抗要件?対抗要件と言ったら民法177条だろ?こんな規定あったっけ?」
胡桃「あるわ。条文を読み込んでいれば、条文そのままの出題だと分かるはずよ」
民法
(委任の終了の対抗要件)
第六百五十五条 委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。
胡桃「委任は、仕事完成義務がないという点は分かるわよね?」
建太郎「ああ。請負契約との大きな違いの一つだよな」
民法
(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
建太郎「法律行為をすることを相手方に委託するだけで、完遂することまでは求めない契約なんだよな」
胡桃「そうよ。だから、ほど良いところで切り上げなければならないこともあるのよ。例えば、私が建太郎に、私の持っているマンションの部屋を買ってくれる人を探すよう委託したとする。だけど、建太郎が買主を探し出せるとは限らないわ」
建太郎「うん。そりゃそうだな」
胡桃「そんな時、私が、一方的に委任契約を解除して、建太郎に知らせなかった。一方、建太郎が、私が解除した後で、買主を見つけてきたとする。でも、委任契約は解除したんだから、建太郎が見つけてきた人なんて知らないわと私が言ったらどう思う?」
建太郎「そんな!身勝手すぎる!」
胡桃「そうでしょ。だから、委任の終了を通知するか、相手方が知る時までは、当事者は委任契約上の権利義務に拘束されるということよ」
建太郎「なるほど。そう考えれば、当然の規定だと分かるな」
これで民法が解けなければあきらめてください!
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