民法70 判例六法 これで民法が解けなければあきらめてください!

投稿者: | 2022年6月2日

★今日の問題★
次の記述の正誤を答えよ。

指名債権に対する質権設定を第三者に対抗しうる要件としての第三債務者に対する通知又はその承諾は、具体的に特定された者に対する質権設定についてされることを要する。

10秒で考えよう。よーいドン!

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★今日の解説★

 正しい。

 民法第三百六十四条一項、四六七条の規定する指名債権に対する質権設定についての第三債務者に対する通知又はその承諾は、第三債務者以外の第三者に対する関係でも対抗要件をなすものであるところ、この対抗要件制度は、第三債務者が質権設定の事実を認識し、かつ、これが右第三債務者によつて第三者に表示されうることを根幹として成立しているものであり(最高裁昭和四七年(オ)第五九六号同四九年三月七日第一小法廷判決・民集二八巻二号一七四頁参照)、第三債務者が当該質権の目的債権を取引の対象としようとする第三者から右債権の帰属関係等の事情を問われたときには、質権設定の有無及び質権者が誰であるかを告知、公示することができ、また、そうすることを前提とし、これにより第三者に適宜な措置を講じさせ、その者が不当に不利益を被るのを防止しようとするものであるから、第三者に対する関係での対抗要件となりうる第三債務者に対する通知又はその承諾は、具体的に特定された者に対する質権設定についての通知又は承諾であることを要するものと解すべきである。(最判昭和58年6月30日)

これで民法が解けなければあきらめてください!
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