中国には様々な武器があることから、その分類方法も独特です。
まず、一番大きな分類方法としては、武器のエネルギー源に注目したものがあげられます。
剣のように人間が自分の力で振るうものなのか、鉄砲のように火薬の力で弾丸を発射するのかという分類です。
自分の力で振るう武器を「冷兵器」と言います。一方、火薬の力による武器を「火器」と呼びます。
「火器」の代表例である鉄砲が戦場に現れるのは、16世紀以降ということになりますが、中国では、それより早くから、火薬が発明されており、10世紀ごろの宋の時代には、「火器」に相当する武器が登場しています。もっとも、そのころの「火器」は、鉄砲のように弾丸を飛ばすものではなく、火薬による火や石油の原料のナフサを利用した火炎放射器の類でした。
いずれにしても、三国志の時代には、まだ「火器」はありませんので、専ら「冷兵器」が使われていたことになります。
「冷兵器」は、さらに細かいグルーブに分類することができます。
「冷兵器」の分類は、武器の間合いによるものです。
具体的には、
弓矢や弩のように飛距離がある武器は「射兵」
矛のように長い柄をつけた武器を「長兵器」、「長兵」
剣や刀のような短めの武器を「短兵器」、「短兵」
※「長兵器」と「短兵器」の区別は、成年男子の眉の高さを超えるかどうかで区分するとされています。
また、これとは別の区分方法として、用法に着目した分類もあります。
棍棒のような殴る武器は、「打兵」
ヌンチャクのように縄や鎖で連結した武器を「軟兵器」、「軟兵」
匕首のように投げたり隠し持つことができる武器を「暗器」
ざっとみると、このように分類することができます。
◆正史三国志を小説として読みたいあなたへ。
●本書のシリーズは、正史三国志を小説化したものです。
ご存じのとおり、三国志には、「三国志演義」と「正史三国志」の二種類があります。
「三国志演義」は民間で語られてきた伝説を明の時代にまとめたもので、読み物として大変面白い活劇となっています。三國志のゲームや漫画や小説はこちらをベースとしています。
一方、「正史三国志」は、歴史書で、実際に起きた事実を列記したものです。そのため、小説として読むのはきついものがあります。
しかし、「三国志演義」と「正史三国志」とでは登場人物は同じでも、能力や性格が違っていたり、人間関係にも違いがあります。また、一方には登場しない人物もいたり、演義では敵役としてあっさり殺されているのに正史では長生きしている人もいます。
その違いを知るために、「正史三国志」を小説として読みたいという方もいるでしょう。
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「三国志演義」とは一味違った三国志の小説としてお楽しみください。