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遺言書と言うと、遺産の分割、相続方法を指定するだけのものと考える方が多いと思います。
そのため、めぼしい財産がない方は、自分には、無関係だと考えてしまいがちです。
しかし、遺産分割、相続の方法の指定は、遺言書の役割のほんの一部にすぎません。
例えば、自分の葬儀の方法について希望があれば書き残すことができます。
最近では、死後に子供たちにお金を掛けさせたくないと考え、葬儀を簡略化することを希望する方が増えています。生前に、子供たちにその旨を伝えておく方もいるでしょう。
しかし、葬儀は、子供たちだけでやるものではありません。親戚や友人も関わるのです。
子供たちが故人の遺志に従い、簡素にすると言っても、親族が葬儀は盛大にやるものだと反対するかもしれません。
伯父や伯母のように年長の人が猛反対すれば、子供たちも従わざるを得なくなるということもあるかもしれません。
そんな時、葬儀は簡素にという趣旨の遺言書を作成しておけば、年長の方に押し切られるということも少なくなるものです。
また、残される家族の面倒を誰に見てもらいたいのか書き残すこともできます。
配偶者や子供はもちろん、ペットの面倒を誰に見てもらうのかというようなことも書くことができます。
遺産がなくても、遺言書が役に立つことがあるのです。
遺産の分割以外に遺言書に書けることの例
・遺言による認知……内縁の女性との間の子供を認知する。
・負担付遺贈……特定の子供に財産を余分に与える代わりに、妻の介護を託す等。
・遺言のよる廃除……道楽息子に財産を相続させないようにしたい等。
・相続人以外の者への財産の分配……相続人以外でお世話になった方へ財産を与える。慈善団体に寄付する等。